リユースできる廃棄物は、実はかなりある。原料再生の都市型リサイクラーと考える、廃棄物ビジネスの新しい形

 

株式会社ワサビが日本のゴミ事情を学びながらリユースの未来を考察する企画、「リユースのミライ」。

環境問題が避けては通れない世界的な課題となる昨今、リユースの視点からその解決の糸口を考える。



――「実際のところ、廃棄物をリユースできる可能性はあるのか」

 

今回はこの問いを探求するために、福田隆(ふくだ たかし)さんに話を聞いた。

福田さんは、関東を拠点に原料再生の総合リサイクルを行う東港金属株式会社の代表取締役を務める。創業118周年を迎える同社にて、不要資産の整理と営業ノウハウの指導など大胆な改革にとりくみ、循環型社会の実現へ取り組み続けている。

今回は廃棄物処理分類の基本を教わりながら、廃棄物をリユースする可能性に迫る。

日本のゴミ分類ってどうなっている? 

大久保:今日はよろしくお願いします。

私たちは今ゴミの資料をあたって調査をしているのですが、なかなか実態が掴めなくて。

実際の現場をよくご存知の福田さんに、ぜひ教えていただけたらなと思います。

早速ですが、ゴミの分類について教えていただけませんか?

 

福田:はい、そうですね。

まず、廃棄物は大きく産業廃棄物と一般廃棄物の2つに分類されます。

ここで、産業廃棄物って何を指すと思いますか?

産業廃棄物は、ある決まった業種から出てくるものを指していて、その中でもさらに20種類くらいの決められた物質が定義されているんです。

そして、その20品目の産業廃棄物以外のものを一般廃棄物と定義します。

なので、単純に一般家庭から出てくるから一般廃棄物、産業から出てくるから産業廃棄物という訳ではないんです。

 



リユースできそうな一般廃棄物は、どこにどのくらいあるのか

 

ーー回収ポイント、自治体の仕組みから考える

 

福田:ではリユースってどこまでできるかという話なんですけれど、

一般廃棄物の中でリユースできるものは不燃物と粗大ゴミにあると思うんですね。

唯一例外が考えられるのは、衣類などです。

衣類は自治体によって可燃物に入れたり不燃物に入れたり、定義がまちまちなんです。 

例えば自治体が持っている焼却場の処理能力が高いと、もう可燃物として処理されたりしてしまう。逆に焼却温度が低かったりして処理能力が低い場合、燃やせないので不燃物として処理される。

そういう分かれ方をしていてまちまちなので、衣類が可燃物と不燃物のどちらに入るのかというのは一概に答えられないですね。 

ただ、リユースできるものとしては、やはり粗大ゴミと不燃ゴミがほとんどだと思います。

 

 

大久保:それでは、リユースできる可能性があるものってどこ(場所)にあるんでしょうか?

回収時点とか処理時点とかで、細かく分岐点がありますよね。

 

福田:その可能性は、自治体によってかなり違いが出ると思います。

これは以前小型家電の自治体回収について議論がありました。

今小型家電というのは冷蔵庫、テレビ、エアコンなどを除いた小さめの家電を指していて、コンピューターからスマホ、一般的な電気家電も小型家電に含まれます。

東京23区では、自治体回収に多くの小型家電が出されます。

でも大阪だとそんなに出てこない。

これはなぜかと言うと、以前はよく軽トラで不用品回収する人たちっていましたよね。

そういう人たちに渡して、50円でも100円でももらいたいと考える人が大阪では多くて。

大阪も東京と同じくらい可処分所得があって物を持っているはずなのに、自治体回収に回ってこないのはそういう理由があると思います。

 

大久保:そうなると、大阪はすでにリユースできている割合が多いことになりますよね。

ゴミを出す側はあまり意識していないと思いますが、生活の中の身近な選択肢として、リユースもあるといいなと思います。

 

福田:確かにそうですよね。捨てる側からするとただ「いらないものを処分する」という行為なので、その行き先に複数のパターンがあることも見えていないかもしれません。

他にも、過疎地のような地方に行くと家電がそんなにたくさん持たれていないので、回収にそもそも出てこないです。


大久保:
リユース云々の前に、自治体によって回収されている量がまずかなり違うんですね。


福田:そうなんですよね。

例えば人口38万人のとある自治体なんかは、月に40〜50トンの小型家電が回収されています。これは、平均月ひとりあたり100gずつ家電系の粗大ゴミを出していることになります。


大久保:各市町村でリユースを行っている施設がありますが、例えば各施設での重量とから逆算して、どのくらいの個数があるのか計算できるものでしょうか?


福田:何となくの数なら出ると思いますよ。 

ただその数は、自治体が委託している業者がどこまでリユースに取り組んでいるかで変わってくるかなと思います。

例えばブランド品で少し修理すれば価値があるものも、少し壊れているからといって廃棄してしまったり。逆に一見状態がいいからといって、価値が低いものをリユース品に回したりしてしまったりすることがあると思います。 

そこは回収現場を考えて大体どのくらいの分け方なのか整理すれば、リユース回収率の実態がある程度わかると思います。

 

大久保:ちなみに、引き取りなどで自治体のシールを貼ってゴミに出したりするじゃないですか。

あのシールのお金ってどこにいってるんですか。

 

福田:自治体です。

 

大久保:各回収業者がいただくお金は、回ったルートで回収できたものということですか?

ただし、全額いただけるということではないのですね。

 

福田:全額ではないです。

 

大久保:みんなのビジネスを守りながら、ゴミの量を減らしつつ、うまくビジネスを設計できればいいなと思っているのですが。

 

福田:自治体から、(集めたごみを)買うという方法があると思います。 

法律面で難しい面がありますが、一般廃棄物の中でやる場合を考えてみましょう。

まず現状として、ピックアップ回収している清掃工場と、していない清掃工場があります。

ピックアップ回収していない工場に対しては、うちで選別をやりますという提案をする方法が考えられます。また、ネットECを使って新しいやり方を提案することもできるかもしれないですね。

 回収までやるとなると地元の回収業者とバッティングしてしまう。廃掃法(廃棄物の処理及び清掃に関する法律)の中で、どこからがどこまでがゴミで、どこからどこまでが有価物になるのかという選別の問題がデリケートになります。

ですから、自治体から集めたごみを買うというのが一番いいのではないかと思います。

 

リユースできそうな産業廃棄物はあるのか

 

大久保:20品目ある産業廃棄物の中で、リユースできる可能性のゴミの種類には、どの品目でしょうか?

 

 

 

福田:産廃(産業廃棄物)の定義からいうと、廃プラスチック、金属くず、ガラスくず・陶磁器くず、木くずなどが組み合わさっているものかなと思うのですが、品目だとなんとも言えないです。

 

大久保:では、具体的なモノで言えば、どんなものがあるのでしょうか?

 

福田:結構色々なモノがあります。

 企業の場合、長期在庫品や不良在庫品の処分があります。オフィスであれば、オフィス家具、工場だと機械系ゴミがあります。

建設系だと産業廃棄物と一般廃棄物がまざる場合がありますね。建物を解体する場合は、建物の中に残っているものを残置物といいます。この中に本当は一般廃棄物の物も多いのですが、所有者側が分別するのが面倒なので、産業廃棄物で処理することが多い。グレーゾーンの場合があります。

 

大久保:実はリユースできる可能性のあるごみが、たくさんありそうですね。

 

福田:肌感覚で言えば、回収している産業廃棄物のうち、少なくとも10~15%程度はありそうです。価値の低いものも含めると、20%あたりほどになる可能性があります。

自社の中間処理場の場合、月間受け入れ量は1万トンあるので、月1000トン程度はリユース向けにできる可能性があります。

そう考えると、結構な量がリユースできる可能性がありますよね。

 

大久保:うまくビジネスの絵を描きたいですね。

 

福田:そうですね。

ただ産業廃棄物では難しい部分があって、以前、ある企業で廃棄食品の流出事件が問題になりました。その事件以降は、行政の監督が厳しくなっています。

ですので回収業者からごみを出す側に対して、リユースする可能性があることを事前にきちんと説明しておくことが必要だと思います。

その了解がもらえれば、産業廃棄物の回収業者が自社で分別して、中古品として低価格で販売することが可能になります。

廃棄物の新しいビジネスの形 

ーーリユース品をメインにした中間処理工場の可能性

 

大久保:廃棄物のリユースをビジネスにしていく場合、どういった設計がいいでしょうか?

 

福田:一般廃棄物に関しては、自治体に提案して、清掃工場や不燃物処理工場から(収集されたごみを)買わせていただくというのがいいのではと思います。

一つ良い成功事例ができると、横展開ができそうな気がしますね。

産業廃棄物の場合は、中古品の売却をメインにした中間処理施設を新しくを造るというのがいいのではないかと思います。

既存の中間処理工場では、何か不手際で間違ったことをしてしまうと、たった1件でもそれで今のビジネスの許可が取り消しになってしまう恐れがある。だから、あらかじめ中古品を集めて販売することをメインにする中間処理施設を新しく造っておいて、お客さんのところに伺って、中古品を集めてくる方法がいい気がします。

 

大久保:そうした中間処理施設で中古品を集めることができれば、低価格でリユースできることになるので、リユース市場を広げることができますね。

そういった新しい中間処理施設を、福田さんのところで造ることはできるのでしょうか?

 

福田:できるだろうと思います。東京でできるとおもしろいですね。

 

大久保:そうですね。そこから広げて全国展開できればいいですね。私たちも調べてみます。

 リユース・リサイクルできるものを増やし、日本のごみを減らしながら、皆さんのビジネスを守りながら、ネットワークを広げていきたいと考えています。

最近リユース企業の方々からネットワーク作りのご相談もいただいていることもあって、リユースとリサイクルどちらも含めたネットワークを作れるのが一番いいなと思っています。

ご一緒させていただけるとありがたいです。


福田:今回の話を通じて、私も頭のなかが整理できました。

リユース品を集めてきて処理することをメインにした中間処理工場を造るというアイデアはおもしろいですね。

さらにそこに、EC機能が付加しているといいですね。

 

大久保:EC部分については、私たちのワールドワイドなネットワークが使えると思います。

さらにもう少し手前で、モノを動かさなくてもお金にできる仕組みなど、いろいろ考えて行きたいですね。

 

福田:私も、リユース主体の中間処理施設を造ることができるのか、それが法律的に許可が取れるのか確認してみます。産業廃棄物の中にリユースできるものが実はかなりあると再確認したので、これから新しい中間処理施設の形を考えていきましょう。




             

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