サーキュラーエコノミー って?② バタフライダイアグラム

前回(サーキュラーエコノミー①)では、サーキュラーエコノミーの概要を紹介した。

今回は、サーキュラーエコノミーを理解する上で欠かせない「バタフライダイアグラム」と、その元となった「C2C(ゆりかごからゆりかごへ)」について解説していく。

  1. バタフライダイアグラム
  2. 生物的サイクル
  3. 技術的サイクル
  4. ものが高速で流れていた時代から、ゆっくりと循環する時代へ

バタフライダイアグラム

エレン・マッカーサー財団「サーキュラーエコノミーシステムダイアグラム(バタフライダイアグラム)」日本語訳

「バタフライダイアグラム」という名前の由来は、左右で2種類の循環を表しているこの図にあり、見た目が蝶(バタフライ)の羽のように見えることから名付けられた。
左右それぞれ異なる性質の循環を示しており、左側が生物的サイクル、右側が技術的サイクルを表す。
サーキュラーエコノミーを理解する上で、このバタフライダイアグラムは非常に重要な要素である。
では、生物的サイクルと、技術的サイクルをそれぞれ詳しく見ていこう。

生物的サイクル

生物的サイクルとは、再生可能な資源の循環のこと。
これらの資源は消費されても微生物による自然の分解などを経て再生され、また元のサイクルへと繋がっていく。
つまり、自然の仕組みの中に戻して循環させていくという構造なのだ。

消費者に一番近いサイクル部分である、「カスケード利用」を見てみよう。
カスケードとは岩場などで階段状に連なって流れる小さな滝のこと。
カスケード利用はダウンサイクルとも近い。
少しずつ、段階を経て下へ下へ降りていくイメージだ。

例えば、木材を製材して、建築材料に使用したとする。
経年劣化などによって建材としての役目が終われば、次は少し規模の小さい家具を作るのに使う。
そして家具としての役目が終わったら、次は紙チップやボード材、家畜敷材にしたりする。
このように、当初の目的や役目を終えてもそこで廃棄するのではなく、素材そのものが持つ特性と向き合い、規模や階層を下げながらより長く使っていくというものだ。

そのサイクルを繰り返した後、どうしても再利用できない部分は、燃やしてエネルギー転換する。
これがバイオマス利用と呼ばれ、ここから得られるエネルギーのことをバイオマスエネルギー(バイオエネルギー)と言う。

これらをバイオケミカル原料として循環させ、また新たな生産に活かしたり、堆肥や微生物などによる処理を経て生物圏に戻し、新たに生物の栄養源や原材料のもととなったりするのだ。

嫌気性消化とは(引用:環境用語集:「嫌気性処理法」|EICネット)
嫌気性処理法は、し尿、下水汚泥や食品工場廃水などの高濃度で含まれる有機性物質を嫌気状態にして、嫌気性微生物群によって分解し低級脂肪酸の生成過程を経て、メタンと二酸化炭素に分解する方法。メタン発酵法あるいは嫌気性消化法ともいう。


石油などの化石資源を利用したエネルギーや製品と比べ、バイオマスを利用したものはCO2の排出が大幅に削減される。
なぜなら、バイオマスの燃焼により発生するCO2は、生物が成長する時に光合成で吸収したCO2だからだ。
バイオマスの利用は、地球温暖化の更なる悪化を防止する策のひとつとして着目されている。
(参照:http://www.riswme.co.jp/biomass/about/index.html)

技術的サイクル

技術的サイクルとは、枯渇性資源の循環を示す。
かぎりある資源を無駄なく最大限有効に利用していくためのものだ。
リニアエコノミーにより生まれた計画的陳腐化(数年で壊れる製品を作るモデル)から抜け出し、シェア・再使用・メンテナンス・リサイクルなどを活かした経済構造を設計していく。
これにより、長く使える品質の良い商品の生産や、その商品を必要とする人との共有や引き継ぎができるプラットフォーム、生産者が確実に製品を回収してまた製品の生産に利用する仕組みが完成、そして実現する。
そうすることで廃棄物は確実に減り、ゆくゆくは廃棄物という概念自体が大きく変わるかもしれない。

利用者に一番近いサイクルから見ていく。
可能な限りメンテナンスを繰り返し、製品を大切に使用してその寿命を伸ばす行為は、近年における大量生産・大量消費の構造によって減少してきた。
流行や最先端に追いつくことに必死になり、まだ使える物であっても買い替える利用者は今も少なくないはずだ。
しかし現在、環境問題や人権問題などの様々な観点からも、経済モデルや購買行動の変革が迫られている。

次に、「シェア」というのはサーキュラーエコノミーの実現において非常に重要な要素だ。
この場合のポイントは、製品の所有者がメーカーにあるということ。
私たち個人が独り占めをして製品を所有するわけではないため、製品を持て余す時間や廃棄の手間がなくなる。
必要な人が必要な時にだけ利用できる仕組みだ。
所有者であるメーカーは、丈夫で長く使える製品にした方がコスト削減になるため、無駄な生産や廃棄が少なくなる。
その上、メンテナンスや回収が確実なものとなり、故障して回収した品もまた新たな製品の生産に活かすことができる。

「リユース」や「再配分」の部分では、街にあるリユースショップ(リサイクルショップ)の利用に加え、ジモティーメルカリなどのプラットフォームがこれからますます重要な役割を担っていくことになる。
個人が使用しなくなった製品でも、他の人が必要としているケースは想像以上に多い。
不要と感じている人が、必要としている人のもとへ製品を引き継ぐことができる仕組みがこれからますます普及していくだろう。

ここまでの経済モデルによって、一つの製品の寿命は現状よりもかなり伸びる。
しかしそれでも製品はいつかは故障や破損してしまうものだ。
そこで、「修理改修」や「再製造」が製品メーカーにより行われる。
一般的な修理に加え、部品レベルに分解した上での作り替えや品質改善が施され、そこで再び生まれた製品が利用者によって改めて利用される。
修理の基準に満たないものは最終手段として「リサイクル」によって原料に戻され、再び資源として循環していくのだ。

現状のゴミの廃棄や処理システムでは、メーカーにこれらの使用済み製品を確実に届けることができていないため、「シェア」システムの推進と合わせて積極的な改善が必要な部分である。
そして、この循環サイクル内で収まる範囲で生産活動を行い、廃棄処理・埋め立ての部分を最小限に留めるべく、徐々になくしていかなければならない。

ものが高速で流れていた時代から、ゆっくりと循環する時代へ

経済発展の競争をするかのように生産と廃棄を繰り返してきた社会であるが、今そのペースをゆるめ、私たちが環境に与えた代償を省みるべきなのかもしれない。
循環する社会を築くには、全ての立場の人からの理解とそれに伴った行動変容が必要である。

次回は、サーキュラーエコノミーの理解を深めるための重要なキーワードを紹介していく。


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