カーボンリサイクルと技術革新 -後編-

前編では、カーボンリサイクルとは何なのか、その概要と今必要とされている理由・背景について紹介した。
後編では、カーボンリサイクルによってどのような製品が生み出されているのか、具体例を紹介していきたい。

また、この仕組みが抱える課題と私たちの生活への影響についても述べていく。

カーボンリサイクルの実例

炭素資源(=カーボン)に生まれ変わった二酸化炭素(※以下CO₂と表記)は、どのような製品に生まれ変わるのだろうか。経済産業省の資料(PDF)によれば、カーボンリサイクルにより生まれる資源は、以下の4つがある。

化学品

ウレタンや、プラスチックの一種であるポリカーボネート
製品例:CDやDVD、BD、家電製品類のフレームを含めた外装部分、化粧品の容器など

燃料

バイオ燃料
使用例:ジェット燃料、ディーゼル、都市ガスや船舶燃料へ転換できるガス燃料(メタン)

鉱物

建材、コンクリートなど
使用例:舗装ブロック、フェンス基礎ブロック、護岸ブロックなど

その他

既に排出され、大気中に蓄積したCO₂を回収・除去する技術「ネガティブ・エミッション

<ネガティブ・エミッションの例>

ブルーカーボン
海洋生態系(藻場・浅場など)に隔離・貯留される炭素のこと。
(参考:国土交通省 港湾 ブルーカーボンとは https://www.mlit.go.jp/kowan/kowan_tk6_000069.html)

BECCS
CCS(CO₂回収・貯留)と屑や燃えるゴミなどの燃焼時の熱を利用し、電気を起こす方式である「バイオマスエネルギー」を結び付けた技術を指す造語。

上記のように、化学、セメント、機械、エンジニアリング、化石燃料、バイオなどさまざまな事業分野で利用が可能である。
これらを総称しカーボンリサイクル産業と呼び、日本国内においては市場規模も大きく、また海外へ向けても非常に競争力のある企業の多い分野だ。

上に挙げた例の中でも、実用化されているケースもあれば、未だ研究段階の技術も多い。
それでも、急速なSDGsの広まりに背中を押され、各分野の企業による開発には期待が持てそうだ。

一方で問題点も

様々な素材や用途の可能性を持つCO₂だが、現状では大きな課題がある。
それは「コストと技術」である。

元来、CO₂は化学的に非常に安定している元素である。
そのため、現状では実用化するプロセスには、コストと高度な変換技術が必要だ。
「2050年以降の二酸化炭素排出実質ゼロ表明」には、CO₂から資源への転換率向上と、低コスト化が必須なのである。

(参考:経済産業省 カーボンリサイクル技術ロードマップ改訂版PDF形式:1,162KB

カーボンリサイクルによる生活への影響は?

カーボンリサイクルによる技術により、近い将来、私たちの生活に変化はあるのだろうか。
現在、実用化に至った例は未だ少なく、すぐに変化を実感することはここ数年単位では無いかもしれない。

以下の図は、カーボンリサイクルを長期的な視点から見たスケジュールマップである。

(参考:経済産業省 カーボンリサイクル技術ロードマップ改訂版PDF形式:1,162KB

2040年以降の「フェーズ3」では、より一般市民の生活に密着した製品への転換が進んでいる計画である。
そうなれば、都市ガスはカーボンリサイクルからのガス燃料に、今着ている洋服は元を辿ればCO₂、という未来も来るかもしれない。
CO₂を資源とする生活が意識されない程当たり前に生活に根付き、循環していく。
それがロードマップでいうゴール地点と言えるだろう。

 


             

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