Reuse for the Future

【ミニコラム】フランスのブリコラージュ(Bricolage)って?

Reuse for the Future2021-08-02


今回のミニコラムはいつもと少し視点を変えて、他国の文化的な観点でリユースについて考えてみたいと思います。

人々が長い年月をかけて築き上げた、世界の文明や文化、習慣にも、これからのリユースや地球環境をよりよくしていくアイデアやヒントが隠されているはず。

他文化を知ることで、一つの視点からでは気づけなかった価値観や発見があるかもしれません。

みなさんが自文化を振り返ったり、日常の選択肢を増やしたりするお手伝いができれば幸いです。

今回は、フランスの「ブリコラージュ(Bricolage)」についてお届けします。

ブリコラージュ(Bricolage)とは?

※画像はイメージです (引用:Unsplash, photo by Jazmin Quaynor

フランスでは昔から「ブリコラージュ(Bricolage)」という文化・習慣が人々に根付いています。「ブリコラージュ」とは、言ってみれば「日曜大工」や「DIY」のことで、元々は「修繕する、寄せ集めてつくる、なんとかやってのける」のような意味を表す言葉です。

日本でも近年になってDIYが趣味として流行を見せてきたようにも感じられますが、それはまだまだごく一部の人ではないでしょうか。フランスでのブリコラージュ好きの多さは圧倒的で、一家族に1人はいるのではというほどなのだそう。

その創作や作業の規模も様々で、小さなものから大きなものまで、家具の補修・アレンジや、ヨーロッパでは度々起こる水回りトラブルの修理(硬水のためパイプがつまりやすい)、土台さえあれば家を建ててしまう人もいます。

「美しいガラクタ」を大切にする文化

フランスでは掘り出し物が見つかる蚤の市や、100年以上の歴史がある美しいアンティーク品なんかも有名ですが、

「物を大切に長く使う」
「必要な誰かに受け継いでいく」
「手入れをする」
「自分なりにアレンジする」

という価値観が、欧州には強く根付いていると言われています。

英語には「プレラブド」という表現があることは以前お伝えしましたが、フランス語では中古品のことを「ブロカント(brocante)」と言います。厳密には「ブロカント」は「古道具、古道具市」などを意味するのですが、元は「美しいガラクタ」という言葉が語源になっているのだそう。

生活の中に「ブロカント」を取り入れるのがごく一般的だったり、それらをアレンジして自分らしさを表現したりという所に、フランスに暮らす人々特有の美的感覚が根付いているのかもしれません。

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唯一無二なブリコラージュ 

日本にも「物を大切に、長く使う」というそれは根付いていますが、フランスの「ブリコラージュ 」「ブロカント」は日本とはまた違った趣きを感じますよね。

もちろん、素人が行うブリコラージュの仕上がりは、完璧とまではいきません。
失敗もするし、思うようにいかない時もある。
完成しても少しゆがんでいたり、色斑があったりもします。
しかし、その歪さ(いびつさ)もブリコラージュならではの味と個性です。

ああでもない、こうでもないと試行錯誤しながら、モノに新たな命を吹き込んでいくことが、ブリコラージュの醍醐味なのではないでしょうか。

皆さんの生活にも、「ブロカント」と「ブリコラージュ 」をぜひ取り入れてみませんか?

<参考サイト>

PARIS mag フランス人はDIYがお好き!?ブリコラージュでアパルトマンを変身!

design stories フランス人が愛してやまない趣味 「ブリコラージュ」

BROCANTE MOMO ONLINE SHOP「アンティーク」と「ブロカント」の違い

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