フランスのユニコーン?今注目の企業VestiaireCollectiveとは

今注目したい高級ブランド品のリセール(中古販売)を行う企業、 Vestiaire Collective をご存知だろうか?
日本における中古品やEC関連、アパレルなどのビジネス市場内でも認知度がじわじわと広がるこの企業。
今のうちにしっかりとおさえておきたい。

  1. Vestiaire Collectiveとは
  2. フランスの「フレンチテック」プロジェクト
  3. 環境意識とブランディング
  4. 高級アパレル業界の舵きりとVCの動向
  5. VCの強みと今後の期待

Vestiaire Collectiveとは

Vestiaire Collective(以下、VC)は、魅力的な「プレラブド」ファッションを提供する世界有数のアプリだ。
過剰生産や過剰消費、そしてファッション業界の無駄な慣習に取って代わる「サーキュラー・ファッション・ムーブメント(ファッションを循環させる取り組み)」を推進することで、VCはファッション業界をより持続可能な未来へと変革することを目的としている。
「ファッション・アクティビスト・コミュニティ」に、インスピレーションやさまざまな機能を提供し、お互いのワードローブからユニークなプレラブド品を売り買いすることで、変革をリードしているのだ。
このプラットフォームは、非常に熱心な活動家のコミュニティと、毎月55万件の新規出品を含む300万点の希少で魅力的なアイテムの在庫によって、独自性のあるものとなっている。
2009年にパリで設立されたVCは、パリ、ニューヨーク、香港、シンガポールにオフィスを構え、ベルリンにはテックハブがある。
詳細は、以下にてご覧いただける。

一目見ただけでもVCの洗練された世界観が垣間見れることだろう。

フランスの「フレンチテック」プロジェクト

フランスでは2013年から、スタートアップ企業を支援するプロジェクト「フレンチテック」が始まった。
それらスタートアップの中でも、評価額が10億ドル以上の企業は「ユニコーン」と呼ばれている。
これまでに11社ものユニコーンが生まれており、VCは巨額の資金調達に成功後、その11のユニコーン企業のうちの一つとなった。
最近では、Kering(グッチやバレンシアガ、サンローランなどの親会社)を筆頭に約237億円もの出資を受け、それらを今後世界市場に展開するための基盤に使用するとしている。

※2021年6月現在


ユニコーン創出に50億ユーロの投資を行うと宣言するなど、この「フレンチテック」プロジェクトに力を注ぐマクロン大統領は、ユニコーンとなったVCへ直々にお祝いメッセージを送っている。

 
 
 
 
 
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マクロン大統領(コメント訳)
「そして11のフランスのユニコーン!Vestiaire Collectiveのこの大きな成功に参加した皆様、おめでとうございます。皆様は、経済の復興に貢献すると同時に、環境にも配慮されています。これはまだ始まったばかりです!」

環境意識とブランディング

「―なぜ多くの高級ファッションアイテムたちは、私たちのワードローブに使われずに眠っているの?循環させることでこれらの美しい作品の寿命を伸ばす方法があるはずでは?」

このシンプルな疑問から始まったのがVCだ。(VC公式サイト the storyより引用・翻訳
このコンセプトを通して、VCは消費者に対し、「リセールをすることはスマートで持続可能な取り組みである」と呼びかけてきた。
新たな視点とブランディング力でアパレル業界のリユースを先導するVCのこだわりは、この他にもいたるところに散りばめられている。
VC共同創設者のファニーモアザン氏は、VC誕生10周年を記念したイギリスの高級百貨店セルフリッジとのコラボを紹介する動画(youtube)においてこのように語っている。(以下、ファニーモアザン氏発言 日本語訳)

『中古品のスティグマ(汚名)を取り払いたい。
少し前までは、(中古品店といえば)時代遅れで埃っぽく人々が行きたがらない場所というイメージだった。でも私たちはその中古品ショッピングの経験を刺激的でかっこいいものにしたい。』

『もしあなた個人が一つの商品の使用寿命をたった9ヶ月延ばせば、地球への影響を約30%減らすことができる』

『より良い購入をする、品質に投資する、リセールする、そうやって確実に無駄を出さないようにすることです』

「ブランド中古品」と聞くと、どのようなイメージが湧くだろう。
定価よりも安く手に入る、売って現金化できる、レアなアイテムが見つかるなど、良いイメージを持つ人もいる。
しかし反対に、偽物はないか、中古ではなく新品がいい、買取価格が不安など、ネガティブなイメージを抱く人がまだまだ多いのも事実である。
プレラブド」という言葉が古くから根付いている欧米と比較すると、日本では中古品に対するネガティブな意見が優勢に感じられるかもしれない。

しかし、 VCはこのイメージを刷新するようなブランディング力を持つ。
サイトYouTubeチャンネルInstagramアカウントなどを一目見ただけでも、多くの日本人が抱く中古品のイメージとは大きく異なる印象を受けるだろう。
さらに、世界全体を見ても中古ブランド品がよりポジティブなものへと変化しようとしている動きが感じ取れる。

Vestiaire Collective – Calling All Fashion Activists!

Why is so much of our wardrobe unworn?
なぜこんなにも多くのワードローブが着られていないのだろう?
Fashion is not a race
ファッションは競争ではない
Slow a pace, reduce waste
ペースを落として、無駄を減らそう
We are the home of pre-loved fashion
私たちはプレラブドファッションのホーム
Where millions come together
何百万もの人々が集まる場所
Buy less, buy better
買い控え、より良い買い物を
Wear more, sell more
もっと着て、もっと売ろう
Transforming a wasteful tradition
浪費的な伝統を変えるのだ
Starting a new wave of fashion activism
ファッションアクティビズムの新たな波を起こそう

高級アパレル業界の舵きりとVCの動向

 
 
 
 
 
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最近ではアレキサンダーマックイーンとのコラボや、Keringから出資を受けたことなどが話題になっているVC。
環境事業に国を挙げて注力しているフランスでは、中古品の再利用・再販売は重要な環境ビジネスの一つとして注目されている。
加えて、KeringがVCへ投資したことは、偽造品や価格・流通管理などへの懸念により高級アパレル企業が敬遠してきた「中古品販売分野」への大きな方向転換を意味し、同時にそれが消費者の間で次のトレンドとなることも意味している。
ヨーロッパのみならず世界中で、環境に意識的な若者世代の消費者をターゲットにリセールビジネスのトレンド化を図っていると言えるだろう。

そして、現在70か国以上に展開しているVCの次なるターゲットは、ずばりアジアである。
2019年からはBtoCプログラムを日本でも展開し、アジアでの市場拡大に力を入れている。
現在は英語とヨーロッパ系言語の5か国語に対応しており、51か国からの販売、74か国からの購入が可能。さらに取引の80%以上が国をまたいでのものだという。
それらを可能にしているのは、世界3か所に設置されたロジハブでの徹底的な真贋と品質管理である。
トゥルコアン(パリから1時間の立地)、ニューヨーク、香港にこのハブを構え、輸送費の効率化と顧客満足度の向上を実現しているのだ。
アジア市場においてはこの香港のハブが鍵となる。

VCの強みと今後の期待

一概に高級ブランド品と言っても、国や地域によって好まれるアイテムの傾向に違いがある。
その広大な市場であらゆるターゲットを狙いに行けるのはVCの強みだ。
VCが間に入ることは、販売者と購入者の双方にとって安心な取引へと繋がる。
特に国境を跨ぐ高級品のやり取りにおいて、真贋や品質管理、通関業務などは消費者にとって大きなハードルなのである。

あらゆるニーズを持つ世界中の消費者に対応すると同時に、VCは核となるメッセージを世界に着実に届け、広めつつある。
このような企業の発信によって、ファッションの循環が社会全体に定着することが期待されるだろう。
今、Vestiaire Collectiveのブランド性が、消費サイクルを問題視されてきたアパレル業界に新たな風を吹き込んでいる。


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